2016年01月05日

書籍: 図解マーケティングの教科書



ITの発達に伴って、マーケティング業界には
多種多様な手段と概念が生まれてきている。
その最新事情を紹介しているのが本書である。


■内容

・キーワード解説
 DMP/SSP/DSP、ネイティブ広告、エンドレスアイル etc

・先進的企業のケース紹介
 JR東日本、リクルートジョブス、トヨタ、Z会 etc

・データ紹介
 テレビCMとアプリダウンロード数の相関 etc

・マーケターによる実践方法解説
 Fringe81 CEO 田中弦 氏


■感想

レイアウトが美しく、平易な言葉で
解説されているため読みやすい。
しかし深い内容までは解説されていない。

マーケティング専門外の人が、
最新事情をザッと把握するには良いのではないだろうか。
私にはとっては価値のある本だった。

移り変わりの激しい業界なので、
最新のトピックスを追うことも重要だが、
時系列的な変化を把握することで、
大局的な視点を得るのも重要だろう。
 
posted by Takashi Inoue at 02:16| Comment(0) | 書籍

2016年01月02日

書籍: 総合的戦略論ハンドブック



経営に限らず、広く戦略論を解説している一冊。

戦略論の歴史、過去の名著、基礎概念などを紹介した後、
軍事・金融・経営・安全保障などの分野での適用事例が紹介される。

「日本人は長期的な計画、戦略策定が不得意である」として
諸外国の識者からたびたび指摘されているにも関わらず、
日本でそういった内容を学ぶ書籍・学ぶ機会が極端に少ない
ことから、この本が作られることになった。


■感想

戦略論ハンドブックという名前ではあるが、
戦略論の詳細よりも、その発展の歴史(学派)や、
戦略策定の前提となる情報(宗教など)の紹介が多い。

何か特定の分野で戦略論を学んだ後で
この本に帰ってくると、より一般的に、包括的に
戦略論を捉えることが出来そうだ。

個人的には、ゲーム理論の概要、
古典的名著(孫子、トゥーキディディース、クラウセビッツ、マクナマラ)、
宗教リテラシー(ユダヤ教、キリスト教、イスラーム、ヒンドゥー教)
などの項で、初めて触れた情報が多く、新鮮さを感じた。

社交の場で必要になる「教養としての戦略論」というイメージ
 
posted by Takashi Inoue at 22:08| Comment(0) | 書籍

2016年01月01日

書籍: 模倣の経営学



早稲田大学 商学院教授による一冊
アジアの数か国で翻訳版が出版されている。

本書では、ビジネスにおいて異分野から
模倣することの重要性が説かれ、
またその具体的な手順が示される。

掲載されている各事例は、最終的に行きついた戦略だけでなく、
初期段階からの時系列的に変化を記載しているため分かりやすい。

まずは詳細まで徹底的に模倣することを勧めるところは
先日紹介した「星野リゾートの教科書」とも共通する。
反転の繰り返し、という大局観は非常に参考になった。

一方で、分析フレームワークとして提唱されている P-VAR は
個人的にはあまりシックリこなかった。


■トピックス

・模倣は定番手法
 創造性を重んじる芸術の世界でも、まずは模倣の練習から始まる。
 独自の作家とは、模倣しない人ではなく、模倣されない人である。

・模倣の重要性を説く人は多い
 ドトール創業者、ニトリ創業者ほか多くの経営者・
 「我流はダメだ。生きている時間が短いから」

・模倣対象を選ぶ
 距離の遠いところからモデルを見つけてくると有効性が高い。
 (事業内容、地理、時間的に遠いところから探す)
 異分野にある教師モデルと、同分野にある反面教師モデルを
 同時に見つけられると、向かうべき方向が決めやすい。
 
・模倣要素を選ぶ
 製品やサービスではなく、それを生み出す仕組みを模倣する。
 差別化要因がアウトプットでなく仕組みであれば、優位性が持続する。
 インターネットの普及によってアウトプットの模倣は速度が上がっている。
 模倣対象からは、複数の模倣要素を引き出せる。何を抽出するか重要。

・模倣の手順は守破離
 守: 模倣対象を忠実に再現する
 破: 個別要素を自分の環境に応じてカスタマイズ
 離: ポジティブなサイクルが回る仕組みづくり

・発展の流れを意識する
 既存プレーヤーの反転が出現する形で発展してゆく。
  ・A → Aの逆であるB → Bの逆であるA
  ・A → Aの逆であるB → AとBの逆であるC
 それを意識して大局観を持った戦略を策定する。
 
・ビジネスモデル分析の枠組みP-VAR
 ポジショニングスクールとリソースベースドビュー、
 オペレーション戦略を統合した分析の枠組みである。
 模倣対象をここに当てはめて分析した後、
 構成要素を反転させて自社の戦略を練る。

・情報収集の方法は多い
 講演会、視察ツアー、直接コンタクト、
 業務提携、定年退職者の雇い入れ
 多くの企業で実際に行われている。

・アドバイス
 もし新規事業を始めたいなら、
 それにピッタリ合うモデルを見つけて、
 うまく模倣することが大切。

・その他
 ネットワーク資産を持たなければ加盟店が独立してしまう。
 具体化・抽象化の幅と速度
 
posted by Takashi Inoue at 05:05| Comment(0) | 書籍

2015年12月30日

書籍: 星野リゾートの教科書



不採算ホテル・旅館を再生させることで有名な
星野リゾートの経営に関する一冊。

社長の星野佳路氏は、経営課題に直面するたびに
教科書となる経営書を探し、それに忠実に従うことで
乗り越えてきたという。

本書では、その実践方法と事例が紹介されている。


■サマリ

・ビジネスを科学する
 事例集ではなく、ビジネスを科学している書籍がある。
 事例を調査して、法則を見つけ出し、体系化して、検証しているもの。
 学問と実践を行き来している研究者によって書かれているもの。

・教科書に従うメリット
 ビジネスを科学している書籍に従えば、
 何も知らないで始めるよりも、遥かにリスクを小さくできる。
 そして判断の理由を明確に説明できる。行動に一貫性が出る。
 辛抱すべき時期を辛抱して乗り切れる。

・小さい会社ほど有効
 小さな会社ほど、理論に沿った大胆な転換がしやすい。
 経営リスクを減らす意義も大きい。

・本を探す
 ネット書店ではなく、実店舗で探す。
 平積みではなく、書店に一冊しかないような、枯れた本を見てゆく。
 目次と第一章を見て、現在の課題とマッチしているか判断する。
 
・本を読む
 持ち歩いて詳細部分まで何度も読み返す、
 付箋、マーカー、アイディアを書き込んでゆく
 読書メモは作らない(本の内容と乖離する)

・実践する
 教科書の内容を、詳細まで忠実に実行する。
 導入しやすい部分、都合のよい部分だけを使おうとしない。
 それでは成果が出なかったときに調整すべき方向が見えてこない。
 微調整は教科書通りをやり切ってから。
 社員にも教科書の内容を解説する。

・教科書に従った事例集
 星野リゾートが再生させた各企業について、
 その時に使った教科書と、適用の過程、結果などを紹介。
 戦略、マーケティング、リーダーシップ、教育、、、


■感想

事例を見ると、行き詰まっている企業は、
「頑張る方向性が見えない」という状況に見える。

そこに対して、向かうべき方向 = 経営書の内容 を示し、
それが組織に上手く浸透するように仕掛けを作る星野氏。
前者だけでなく、後者にも多くのノウハウがあると感じた。

さらに「課題が生まれてから書籍を探す」と言いつつも、
学生時代に出会った経営書を選択していることも多い。
普段から様々な経営書を読み、頭に栞(しおり)や
土地勘を入れておくことも重要だということだろう。
(最初はサラッと読んでおき、適用時は改めて詳細に読みこむ)

本書の中盤以降は、読んでいて強い高揚感があった。
旅館の支配人だけでなく、料理人や仲居さんが、
生き生きと働き、学問思考を育ててゆく様子は本当に楽しい。

MBAで学ぶ人たちを勇気づけてくれる一冊
 
posted by Takashi Inoue at 16:32| Comment(0) | 書籍

2015年12月26日

書籍: 医師国家試験のためのレビューブック



医学部勉強会にお邪魔した際に出会った一冊。
様々な症例、原因、治療法がまとめられている。

単純に読み物としても面白いが、私のような素人が
この本を読む価値は、病人・怪我人に対して、
妙な偏見を持たなくなることにあるだろう。
(ありもしない自分への感染経路を心配するなど)

また、民間療法やプラシーボ、
十分に検証されていない個人の体験談など、
怪しげな書籍・ネット記事が跋扈している中で、
「信頼性の高い情報源」「全ての医者が学んでいる定石」
という点にも価値を感じた。

当日もじっくり読んだが、購入して改めて読みたい。
 
※注意
 ここから得た知識を元に、素人が医師と議論するのは
 得策ではないと感じた。今回の勉強会を通して、
 医学部生がとんでもない量の知識・症例を学び、
 実地で経験を重ねていることを知ったため。
 
タグ:資格 書籍 医学
posted by Takashi Inoue at 06:00| Comment(0) | 書籍