2019年03月28日

書籍: The MODEL


 
ビジネスプロセスの構築法に関する一冊。
SalesForce JP SVP や Marketo JP CEO を歴任した著者が、
自ら実践し磨き上げてきた内容を紹介している。
 
本書は著者が米国で投げかけれたという疑問から始まる。
「ヤス、日本の工場ではあれほど細かく生産管理をやるのに、
なぜ営業やその他の工程について何もしないのか?」
 
工場生産から類推すると、以下のようになるだろう。
 
 ・最後に検品をするだけではどこでエラーになったか分からない
  (営業人員の目標達成率を見るだけでは、原因分析が出来ない)
 
 ・工程を分解し、各工程でパフォーマンス測定と検品を行う
  (原因分析や対策が打てるようになる)
 
 ・工程を分解すると、各工程の作業範囲が絞り込まれて生産性が上がる
  (一定のリズムの繰り返しになる)
 
 ・工場長は全体を見て、唯一のボトルネックを改善してゆく。
  (各工程に個別に改善を求めると、仕掛品が大量に発生してしまう)
 
このような考えの下、社内の分業、顧客の分類、商談を分解を行い、
各要素の状態を定義する指標・フェーズ移行基準・緊急対処を行う閾値などを
設定することで、生産性が劇的に改善するという内容である。
記載内容は詳細かつ具体的で、抽象論に留まらない。
 
また、本書では「プロセスの洗練と、人の心の考慮の両立が必要」という主張もなされる。
 
 ・顧客エンゲージメントの評価
  定量データ(利用ログ)と担当者の直感を織り交ぜて評価する。
 
 ・曖昧さを許容する
  メンバー全員に、同じ粒度・同じ精度でデータ入力を求めるのは現実的ではない。
  (メンバーごとにバラバラだが、当人の中では一貫しているので、それを読み取れば良い)
 
 ・マネージャの仕事
  数字を見て状況を想像すること。
  良い仕事といい加減な仕事を峻別すること。
  分業されたプロセス同士の繋がりを見つめ、全体のボトルネックを改善すること。
  メンバーには会社としての優先順位を伝え、数字だけでは評価しないことを伝えること。
 
本書の内容は、SaaSに限らずビジネス一般に適用可能と思われる。
Web上のインタビュー記事も素晴らしいので必見。
 
『マルケト福田康隆氏が伝えたかったSaaSビジネスの核心』
https://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1902/08/news048.html
 
『SaaS時代のビジネスを問い直す『THE MODEL』が得た大きな反響』
https://markezine.jp/article/detail/30642
 
posted by Takashi Inoue at 00:00| Comment(0) | 書籍
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