2019年03月25日

書籍: カスタマーロイヤルティの経営


 
サービスマネジメントに関する一冊。
 
本書はハーバード・ビジネス・スクールの教授による著作で、
リピート購入・サブスクリプション型(月額課金)のサービスにおける
企業戦略を研究・解説したものである。
 
4000社を超える調査を背景とした理論・解説・豊富な事例紹介は圧巻の一言。
本書の目玉であるサービスプロフィットチェーン理論は、
従業員満足度・顧客満足度が核となっているため、読んでいて非常に心地良い。
健全性や道徳性が感じられ、多くの人を動かす力がありそうだ。
 
また、近年 SaaS 業界ではカスタマーサクセスという概念が盛り上がり、
多くの書籍が発行され・カンファレンスも行われているが、
その要諦はサービスマネジメントと重なる部分が大きい。
 
もしかすると、本書で語られていることが、
カスタマーサクセスの未来なのかもしれない。
 
--- 要旨 ---
・顧客満足度こそが重要である
 売上・利益・解約率は結果指標・遅行指標であり、
 顧客満足度こそがその先行指標である。
 
・顧客は「結果」を買っている
 結果あってこそのプロセスである。
 プロセスのクオリティを上げる努力は、
 サービスそのもののマイナスをカバーしない
 
・価値の方程式
 価値 = (結果 + プロセスのクオリティ) / (売価 + カスタマーが入手するためのコスト)
 売価を1ドル上げると顧客が1ドル損する訳ではない (結果を高めるなら釣り合い可能)
 
・利益はシェアではなくカスタマーロイヤルティで決まる
 マーケットシェアは実は収益性と関係ない。
 サウスウェストは常に売上業界7位以下だが、常に高収益を上げている。
 
・サービスプロフィットチェーン(SPC)
 適切なマインドセットを持つ人物を高い賃金で採用
 → 豊富な教育、業務を確実に遂行できる仕組み、大きな裁量を与える
 → 高クオリティのサービスが実現
 → 顧客満足度の向上、従業員満足度も向上
 → 収益性の向上
 → 賃金・仕組みへの再投資
 
・サティスファクション・ミラー
 熱心な従業員 → 高いチップ → よりハイレベルなサービス → 両者の関係性が一層向上
 ただし適切なマインドを持つ人員を採用するのが前提。採用時点では技術は必須ではない。
 仕組み(標準化・ITシステム)によって、従業員が確実に結果を届けられるようにする。
 従業員の最大の不満は、顧客に結果を届けられないことである。
 
・既存顧客を大事にする
 新規顧客の獲得コストは既存顧客の保持コストの数倍
 カスタマーの平均保持率が5%増えただけで利益が大幅に増える。
 新製品をできるだけ値引きせずに買ってくれる顧客でもある。
 1回の販売は小さいかもしれないが、生涯を通しての価格は何千倍である。
 
・顧客満足度を高めるには、顧客と接触するエッジ(現場担当)のレベルが鍵
 
posted by Takashi Inoue at 00:00| Comment(0) | 書籍
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