2019年03月14日

書籍: 最高の結果を出すKPIマネジメント


 
リクルート流のKPIマネジメントを解説した一冊。
 
著者はKPIマネジメントを現業部門で実践するとともに、
そのノウハウをグループ内に広げる活動も行っている。
本書はその講義資料を元に作られていたものである。
 
本書はKPIに関するありがちな誤解を解くところから始まり、
KPIマネジメントの構築手順・運用方法・注意点を紹介した後、
ケース別でマネジメント例を紹介している。
 
KPIを上手く設定できると、業績に良い効果が現れるだけでなく、
メンバーを強くモチベートできるものであると述べている。
 
--- ポイント ---
 
・KPIマネジメントに登場する概念
 ・現在の事業にとっての最重要プロセス (CSF: Critical Success Factor)
 ・それをどの程度実行すると (KPI: Key Performance Indicator)
 ・事業計画が達成できるのか (KGI: Key Goal Indicatior)
 
・KPIの誤解
 ・売上や利益はKPIにならない
 ・売上や利益はKGI(最終的な数値目標)であり、それは結果指標・遅行指標である。
 ・KPIはPerformanceを測定する指標であり、プロセス指標・先行指標である。
 ・KPIは複数の指標の中からKeyとなる1つを抽出したものである
 ・複数の指標を見るのはPIマネジメントであって、KPIマネジメントではない
 
・KPIは信号
 青ならそのまま、黄色なら注意、赤なら止まる、信号は一つでないと事故が起こる。
 交差点に入るずっと前から見えるようにしておく(リアルタイム確認・先行指標)
 信号が複数あると、各人が勝手にどれかだけを選び、それに従うようになってしまう。
 (そうなると、後で何が悪かったのかの振り返りも出来ない)
 信号ルールを破らない範囲で、早く到着してねとして、社員に自由度を与える。
 そして渋滞情報を企業から伝える (組織は目標達成のためのサポートを行う)
 信号ルールは守りつつも、信号から信号の間で急加速する輩も出てくる(燃費が悪化)
 このため、目安時間内 ± α で到着してねとする (率はKPIではなく拘束条件として使う)
 各人が交通状態を加味して走行するようになり、定時到着かつ低燃費となる。
 
・KPIマネジメントで起こりがちな問題
 売上達成のためにコスト度外視でやってしまう問題
 制約率が下がらないように営業を控えてしまう問題
 売上が先か、効率化が先か問題
 
・紹介されている事例
 事例@ 特定の営業活動を強化することで業績向上を目指す
 事例A エリアにフォーカスすることで業績を拡大する
 事例B 商品特性から特定ユーザ数をKPIに設定する
 事例C 時代の変化を先取りして特定の商品にシフトする
 事例D 従量課金モデルでは歩留まり向上から始める
 事例E 採用活動におけるKPIの考え方
 事例F 社外広報は目的を明確にしてKPIを設定する
 事例G 社内スタッフ部門は従業員満足度をKPIにするのが基本
 事例H 集客担当には集客単価を決めて自由に動いてもらう
 事例I 仕事ができるようになるためのKPI
 事例J 人生100年時代を健康に過ごすためのKPI
 
--- 所感 ---
 
私自身が IoT SaaS の事業立ち上げでKPI設定に悩んだ経験があるため、
本書の内容に強く共感を覚え、また「これを早く読んでいれば、、、」という感想を持った。
私が当時KPIマネジメントに感じていたモヤモヤ感は、以下に起因していたようである。
 
 ・SaaS では ChurnRate を見ることが多いが、それは遅行指標である。
 ・Time to Value などの指標もあるが、KGIとその関連性は明確にしておく必要がある。
 ・KGIの分解、プロセスの分解、CSF絞込みのプロセスが甘かった。
 
さらに、KPIマネジメントとコンサル思考・サービスマネジメントとの親和性も興味深かった。
 
 ・コンサル思考「課題の見極め(KGI)→分解→優先順位付け(CSF)→仮説(KPI仮説)」
 ・サービスマネジメント「定量化し、現場に裁量を与え、本部から情報や標準化のサポート」
 ・サービスマネジメント「定量化すれば判断できる。定量化すれば改善できる」
 
posted by Takashi Inoue at 00:00| Comment(0) | 書籍
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