理想の働き方を目指して奮闘する社長の一冊
著者である社長の岩崎裕美子氏は、
広告代理店のプレイングマネージャ(激務)から、
未経験の化粧品業界に飛び込んで起業した経歴を持つ。
本書は「スピード仕事術」といった内容ではなく、
根本的なものが多いため学びは大きい。
・労働集約的にならないビジネスを開発するには
・労働時間を圧縮しつつ、持続的成長を保つには
・組織文化づくり、マネージメントのありかた
・女性のキャリアのありかた
さらに、上記を確立するまでに起こった様々なトラブル、
改善に向けた試行錯誤の過程なども記されているため、
机上の空論でないことも実感できる。
初めは残業なしで稼げるビジネスの模索から始まるが、
次第に組織作り、モチベーション喚起の方向に移ってゆく。
「17持あがりになった。給料も良い。なのになぜ精神不調の社員が出るのか、、、」
という暗黒時代からの奮闘劇には、一見以上の価値がある。
■感想
著者は「真剣に話を聞くこと」「考えていることを何度も伝えること」
の重要性を何度も強調していている。
日本人は「察すること」「察されること」が無意識に刷り込まれており、
それがトラブルの発生源となっているのではないかと感じた。
とはいえ、本人からすると「まさか伝わっていないとは」という内容も多いので、
第三者的な監査・コンサルを積極的に受け入れるという著者の行動は合理的だろう。
また、「伝える内容」と「伝え方」は重要な両輪であることにも留意したい。
目的は、伝えることではなく、理解し行動してもらうことなのだから。